What's
 金融・金銭教育?
金融 教育研究校、
金銭教育研究校とは
金融・金銭教育出前講座実施中!

平成29年度第2回「金融広報アドバイザー等研修会」を開催しました

(12月1日)。
 

  大分県労働福祉会館ソレイユ会議室において、平成29年度第2回「金融広報アドバイザー等研修会」を開催しました。

 
研修会では、当委員会事務局長の山崎 誠久日本銀行大分支店次長が、Fin Techが描く未来」と題して講演を行いました。
 
講演の要旨は次のとおり。

FinTechの起こり)
 FinTech(フィンテック)とは、Financial Technologyを略した造語であるが、その本質は金融業務における単純なIT利用ということではありません。この数年で新たに注目されるようになったFinTechは、過去の金融技術革新とは明らかに異なる性質を帯びており、その背景には金融とIT両方の世界における環境変化があります。

 この間、ITの世界では、環境が大きく変化しました。すなわち、スマートフォン(スマホ)が普及し、個人がコンピューターを1台ずつ持ち歩くようになり、さらにそのコンピューターには通信、カメラ、生体認証機能、個別機材の識別機能などが搭載されているので、個人ができることの範囲が飛躍的に広がるのは当然でしょう。

また、CPU性能、クラウド機能、AI(人工知能)性能の向上などにより、データの蓄積、分析が容易になり、そのコストも大幅に下がりました。
 こうした技術の進化や利用の拡大によって、情報通信の分野では劇的な変化が起き、個人が直接世界中に情報を発信し、世界中からリアルタイムの情報を受け取れるようになりました。また、商取引の分野では、いつでもどこからでも自分の欲しい商品を検索し、世界中の商店に注文を出すこともできます。では、金融は他のサービスほど便利になっているでしょうか。金融サービスに対する需要に、既存の金融機関は十分に応えられているでしょうか。
 
このような疑問を持ったIT企業や新しい事業者が、技術、機器、データの力を利用して安価で便利な金融サービスを提供するようになったのがFinTechブームの始まりであると考えられます。

 

FinTech先進国の事例)
 
FinTechの活用により、大きな変化が起きているのは中国です。中国では、IT事業者が構築したスマホ・アプリの顧客インターフェース基盤が大きく成長し、金融、非金融に跨る多くの個人および小規模事業者向けのサービスを取り込んでいます。
 中国における変化は見た目にも明らかで、都市部の日常生活で現金が急速に消えつつあるようです。日常生活の物購入やサービス利用に係る少額支払や個人送金、割り勘はスマホのアプリを利用して執行され、金額が大きくなればカード(デビットカード、クレジットカード)で決済されています。特に若い世代は、数週間現金に触らずに過ごすこともあるようで、この「スマホ・アプリの世界」は決済だけではなく生活サービス全般に広がっており、利用者には極めて利便性の高いものとなっているのが中国の現状です。

FinTechが描く未来)
 中国の発展形を見て明らかなことは、FinTechが社会の効率性を上げるほどの大きな効果を持つためには、金融と非金融、FinTechの強力な協働やデータの共有が必要となります。
 人口減少のために、働き手と顧客の両方が今後さらに減っていく日本の厳しい環境にあっては、大きな課題を意識し、思い切った変革を進めていく必要があるでしょう。

 FinTechブームが我々に問いかけていることは、変化する社会環境の中で、「金融サービスの在り方がこのままでよいのか」という大きな論点なのではないでしょうか。
 既存の金融システムを破壊することが目的ではなく、金融サービスを便利にするためには金融システムもある程度変わる必要があるかもしれません。

 ITの力を利用して、金融サービスの利用者の利便性が高まり、サービス提供者にとっても持続可能なビジネス・モデルがいろいろな分野で実現することを期待したいところであります。 

以  上

 
「金融広報アドバイザー等研修会」は、中立・公正な立場から、くらしに身近な金融経済等に関する勉強会の講師を務めたり、生活設計や金銭教育の指導等を行っている「金融広報アドバイザー」(金融広報中央委員会が委嘱)の一層のレベルアップを図るため、定期的に金融経済や生活設計等をテーマに研修を行っているものです。
   
「専門家から直接話を聞きたい」、「特定のテーマについて深く知りたい」というグループ(地域での集まり、婦人会、学校やPTAでの集まり等)がございましたら、大分県金融広報委員会事務局(0975339116)までご連絡下さい。


Copyright 大分県金融広報委員会 2010  ご意見ご感想はこちらまで