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最近の若い人達は言葉が乱れている。携帯電話の普及などにより、一日中一言も話さずに済むし、話しても単純化された言葉を使った会話となっている。
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生活のIT化は、便利さをもたらす一方で、大切な言葉を退化させたり、失わせたりしている。私達はこういう状況を「言葉が溶ける」と言っているが、これは若い人のみに原因があるのではない。
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アメリカの心理学者アルバート・メラリアンの説では、「情報の大半は視覚から入る」として、「外見や立ち居振舞い」からが5割、「声」からが4割、「話す内容」からは僅か7%であるとしている。
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講演会などで話したいことを確り参加者に伝えるには、きちんとした服装や態度はもちろん大事であるが、「声」に関するアプローチも重要ということになる。人間の体には、「音声器官」(声を作るために働く身体の部分)として、鼻、口、喉があり、これを“楽器”として、より豊かなボリュームのある音で伝えることが重要である。そのためには、普段から複式呼吸を取り入れ、取り込む酸素の量を増やし、“お腹で声を支える”イメージの発声が大切である。
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「丹田(へその下の下腹部)呼吸法」を身に付けると、“肝が座り”、頭と心を一致させることができる。また、内臓がマッサージされ、自律神経のバランスがよくなる、体脂肪が減少する、血液がよい状態になるなど、“命の再生プログラム”にスイッチが入るという効果もある。
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本日の講演のテーマである「正しく伝わる、心に伝わる」ためには、講師はプレゼン資料をメモ書き程度の情報に止め、あとは自分の言葉で補うようにすることが大切である。また、マイクを持った手の肘を体に確り付ける形で固定させたうえで、口から20センチ以上離すようにすれば、自分の肉声が主人公となり、それをマイクがフォローするという感覚が得られるはずである。加えて、会場が広くなればなるほど色々な人が集まることから、ゆっくり話す、動作を大きくする、易しい言葉で話すといったことが求められる。
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以上をまとめると、人に何かを伝える時には、「こちらの心を伝える」ことが大切で、それには決して作られた声では伝わらない、ということである。
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